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宇宙に果てはあるのか?

この宇宙に果てはあるのか?これまでこれを考えない人はあまりいない。しかし、これは未だに難問である。何故難問かは、順序を追っていくと理解出来る。

1.空間とは

ニュートンは、空間を3次元ユークリッド空間(3方向に無限に拡がる均質なもの)、物質から独立した空虚な容器のようなもの(絶対空間)、時間も独立して存在するもの(絶対時間)と考えてニュートン力学を確立した。これに対してアインシュタインは、その一般相対性理論で、空間とは絶対的なものではなく、質量(エネルギー)の存在により曲がったりねじれたりするもので、時間も空間と密接に関係しており、4次元リーマン空間(時空間)として記述し、重力は空間の歪みと考えらた。重力の源は質量であるので、空間は内部の物体とは無関係に存在する単なる容器(舞台)ではなく、内部の質量自体が空間の構造に影響を与えているので、空間も何かしらの実体(主役の一人)となった。

2.真空とは

かつて「物質が存在しない物理的空間」を真空と呼んだが、現在の物理学では真空の概念は複雑化している。電磁場、重力場、量子場(強い力と弱い力の場)、ヒッグス場など、一般の人々には不可解な「場」が空間には満ちていると説明される。電磁力と弱い力は電弱理論で統一的に説明出来た(ワインバーグ・サラム理論)。その後、理論物理学者はすべての力を統一しようと努力・格闘しているが(超弦理論もその候補)、そもそもその試みが成功するかはまだ判っていない。多くの人は、真空とはエネルギーや質量が存在しない状態であると思うだろうが、実際には、真空中の極微の世界では、物質と反物質が生まれては(対生成)ぶつかって消える(対消滅)事を繰り返す。これはエネルギーが変化している事を示し、「真空の揺らぎ」現象と呼ばれ、量子論で「真空の相転移」と言う。

*カシミール効果:真空とは「何もない空間」どころか負の粒子に満ちた世界で、この真空を「デイラックの海」と呼ぶ。真空には膨大な粒子が観測できない状態で詰まっている。粒子には質量があり、質量はエネルギーのひとつの形態だから、つまり真空は膨大なエネルギーの塊と言う事になる。非常に極微の世界では、正と負のエネルギーのせめぎあいが続いていて、その中から正と負の粒子のペアが現れては消えるという現象が実験的にも確認されている。極微の領域でも現実に計測可能な力が生じているのか?それを実験で確認したのが、カシミール効果。正確に平面に磨いた二枚の薄い板を極端に接近させ、その間隔が十分に小さくなると、2つの間に含まれる真空のゆらぎ(正と負のエネルギーのせめぎあい、電子と陽電子のように)のうち、間隔より短い波長のものしか入り込めなくなくなり、その結果、外側の方が圧力が強くなり、板は外から押されてわずかに間隔が狭くなる。この現象をカシミール効果と呼ぶ。

3.空間の膨張とは

1929年エドウィン・ハッブルは、銀河の中にあるセファイド変光星を観測し、銀河の赤方偏移(ドップラー効果で離れていく対象の光の波長が長くなり赤色に偏移する効果)と距離の間の法則、2つの銀河間の距離が大きくなるほど、互いに離れる相対速度も距離に比例して大きくなるというハッブルの法則を発見した。つまり宇宙は膨張している事が分かったのだ。この場合、見かけ上は銀河が遠くに去っているように見えるが、実際は銀河が存在する空間自体が膨張している事による。では、何故空間が膨張するのかが問題になった。

太陽のスペクトル(左)と比べ、遠方の超銀河団のスペクトル(右)では、フラウンホーファー線がより長波長側(赤い方)へシフトしている。

4.真空のエネルギーと空間の急膨張(インフレーション)

空間の膨張が判ると、時間を逆に遡っていけば、初期の宇宙は高密度かつ超高温だった事になる。これは1947年ジョージ・ガモフによって提唱され、後に「ビッグバン理論」と呼ばれた。1960年代、その根拠となる宇宙背景放射が観測され定説となる。しかし、何故ビッグバンが起こったかを説明する理論はなかった。このため、宇宙創生に「神の一撃」があったという宗教的神話がまだ信じられた時代であった。このビッグバン理論を科学的根拠で最初に説明したのは、1981年東京大学佐藤勝彦教授(私の卒業した丸亀高校の3年先輩)が提唱した「指数関数的宇宙膨張モデル(インフレーション理論)」である。同じ頃、米国アラン・グースも素粒子論の立場から同様の論文を発表したので、佐藤・グース理論とも呼ばれる。インフレーション理論は、138億年前の宇宙創生の10のマイナス36乗秒後~10のマイナス34乗秒後の間に、エネルギーの高い「高温の真空」の状態から、エネルギーの低い「低温の真空」に相転移し、保持されていた真空のエネルギーが熱(転移熱)となり、ビッグバンを引き起こしたと言う。佐藤・グースは「真空の相転移」をビッグバンに応用したのである。このインフレーション自体はほとんどの学者に受け入れられていて、現在その原因と決定的証拠を見つけようとしているが、おそらく見つかるのではないか。

inflation.jpg


(注:インフレーションが何故起きたのかは不明)佐藤・グースによるインフレーションのメカニズムの説明は、現在では主流ではなく、様々な仮説が出されている。当時の宇宙空間を満たし、インフレーションを起こしたものは、仮に「インフラトン」と呼んでいるが、その正体は未だに未解明。インフレーションがどれほど続くのかも判っていないし、更に宇宙空間全体でインフレーションが終了することはないだろうとの考えもある(永遠のインフレーション)。もしこの永遠のインフレーションが正しいとなれば、宇宙全体はとてつもなく大きい事になる。この場合、観測可能な宇宙の範囲は全体の塵のような存在という事になるが、まだ不明な仮説に過ぎない。多元宇宙説も仮説段階で、そのような仮説を全く認めない物理学者もいる。逆に、宇宙が膨張しすぎると、あらゆるものが破壊されると言う仮説を唱える学者もいる(ビッグリップ仮説)。

5.2回目の急膨張

宇宙空間はインフレーション以降も徐々に膨張し続けているが、米カリフォルニア大学バークリー校サウル・パールムッター教授、オーストラリア国立大学ブライアン・シュミット教授、米ジョン・ホプキンス大学アダム・リース教授らは、その膨張の勢いが宇宙に存在する物質の重力で衰えるどころか、逆に加速している観測結果を示した(2011年ノーベル物理学賞受賞)。この発見はIa型超新星と呼ばれる天体が鍵となった。Ia型超新星は白色矮星と呼ばれる星が爆発して明るく見える天体だが、ピーク時の明るさがどれも同じなので、地球からの見かけの明るさと比較する事で距離を測定出来る。こうして求められた距離と、天体の「赤方偏移」の測定値を組み合わせると、各時代の宇宙の膨張スピードが計算出来る。研究チームはこの原理を利用して、宇宙空間が加速的に膨張している観測的な証拠を見出したが、その結果、宇宙は66.2億年前に減速膨張から加速膨張へ移行した事が判明した。この原因については現在も未解明だ。

6.膨張空間に中心や端はあるのか

(1)宇宙の中心

大型望遠鏡での観測は飛躍的進歩を遂げ、宇宙空間の観測出来る限界にまで達しそうになっている。この意味では、宇宙空間は有限の球体(現在の推定半径は470億光年)のようで、観測地点である地球がその中心にあるように見える。しかし、そんな奇跡的な現象はあり得ないと考える学者がほとんどで、実際球体を膨らませて、その中の任意の点から離れた場所の膨張スピードを眺めると、どこ任意の点でも膨張の中心に見えてしまうので、中心が何処かは決められない。

(2)宇宙の形(ポアンカレ予想)

ポアンカレ予想とは、トポロジーの難問に近いが、簡単に言えば「宇宙の中の任意の一点から長いロープを結んだロケットが宇宙を一周して戻ってきて、ロープの両端を引っ張ってロープを全て回収できた場合、宇宙の形は概ね球体(ドーナツ型のような穴のある形ではない)と言えるのか」という問題だが、これを解く事で「宇宙の形」に迫れる。この数学的難問を解くのに100年を要した。これは、アメリカのクレイ数学研究所が指定した7つのミレニアム懸賞問題(百万ドルの懸賞金)の一つとなっていた。これを解決したのはロシア人超天才数学者グリゴリー・ペレルマン。2006年数学のノーベル賞といわれるフィールズ賞に決まったが、かれはこれを辞退し、百万ドルの賞金も辞退している。数学会や米国科学界の体質に大きな不満があったらしいと言われているが、真相は不明(現在、病気の母親と山に住み、世間から隔絶した生活を送っている)。彼の功績から、宇宙は概ね球体である事が判った。

(3)宇宙の形(空間に描いた三角形の内角の和から考える)

2次元の平面では、三角形の内角の和は180度である。次に3次元の空間には、どのような形があるかの候補として、アインシュタイン方程式を宇宙原理(宇宙のあらゆる場所はどこも同じ姿をしている)を仮定をして解くと、

有限で閉じた空間:この場合は三角形の内角の和は180度を超える。
無限に広がる平坦な(曲率ゼロ)空間:この場合は三角形の内角の和は180度
無限に広がるが曲率がゼロでない空間(馬の鞍のような):この場合は三角形の内角の和は180度より少ない

の3つ解が得られる。しかし、これまでの観測結果からは、2の平坦な宇宙に近いとされる。しかし、無限に広がる空間だとすると、ビッグバン理論と矛盾する。これは宇宙原理を仮定して得られたもので、仮定が間違っている事もあり得るので、現実の宇宙が平坦だとしても大きさが無限であるとの確証にはならない可能性がある。結局、現在判っているのは「観測出来る範囲内では、ほぼ平坦に近い」だけだ。

(4)宇宙の境界を考える(宇宙の果ての謎)

他の空間があって、私達の宇宙と接している場合、境界が有り端があると言えるかもしれない。仮説としては、超弦理論のブライアン・グリーンのような「たとえれば、チーズのような空間が有り、その中に小さな宇宙がビッグバンで多数現れている」と説明すするものや、MITのマックステグマークのように「無限に広がる空間の一部に我々の宇宙が有り、他の宇宙は見えないし行くことも出来ない」とする説など、色々とある。つまるところ、何も判らないと言っても良いかもしれない。宇宙の中に閉じ込められている我々には、外から眺める事も出来ないので、果てとか端を論じても無意味となるのだろう。現在までの結論として「宇宙の果てはあるのかないのか不明、それを考えても意味がない」となろうか・・・超天才理論物理学者が出てくるまでは。

7.未解明の宇宙の謎は多い

前述の佐藤勝彦氏は「インフレーション理論は、その後COBE衛星やWMAP衛星による宇宙背景放射の観測で、宇宙に揺らぎのある事が証明され、インフレーション時の真空の揺らぎが裏付けされている。インフレーション理論を進めると、母宇宙がインフレーションを起こし、子宇宙を作るというマルチバースの可能性も考えられ、私達の宇宙とは因果関係のない別の宇宙が多数存在する事になる。しかし、宇宙は認識されるからこそ存在する。我々の宇宙の方程式もたまたまそうだったとしか言えなくなる。宇宙が多数あるなら、我々の宇宙の方程式を決めたのは誰なのか。これを追求すると、宇宙論は人間原理が出発点となる。また宇宙には、真空のエネルギーが残っていると言われている。今、もしかしたら第2のインフレーションが起こっているのかもしれない。それを追求していくと、目に見えない物質(ダークマターやダークエネルギー)などの解明が求められている。宇宙の研究はまだ解明されていない事が多い。知らない事を知るのが基礎科学の面白さ。これからの若い人達に期待する」と語る。
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